物心
小さい時の記憶、雪が降る外を窓から見ている、3歳の頃のそんな記憶だ。
そしてこれが物心をついたときである。
物心をつくとはどういう意味か。
調べてみるととても曖昧な定義づけがなされていた。
むしろ定義づけが出来ていないかのような状態である。
最初の例に出した文章は国語辞典の例文を応用したものなので間違いはないのだが、国語辞典の例文も見てみると、どの文章も「物心をつく」=「記憶がある」と見て取れるのだ。
ここから考えられることは、人が初めて「思い出す」という行為をして思い出された内容が脳に定着するのではないだろうか。
思えば、例に挙げた文章の内容も今までに何度か思い返した記憶である。
記憶は脳に定着させるためには「思い出す」という行為が必要であり、さらに言えば「忘れる」という行為も必要である。
人によって忘れる回数が多く必要な人もいるが、そういう人はより強固な記憶となるであろう。
こんなことを偉そうに書きつつ、「思い出す」行為をせずに「忘れる」行為ばかりやっている人がここに一人。